免許返納
免許返納のあとの車。名義、処分の方法、税金と保険の戻り方
免許を返納しても、車の名義や税金、保険は自動的には変わりません。車をどうするかは、別に手続きを進めることになります。このページでは、軽自動車検査協会、国土交通省、日本損害保険協会、環境省、千葉県・千葉市・名古屋市の公表資料で確かめられたことだけを、処分の前に確かめる順に整理しました。
先に結論:返納しても、車は自動的に処分されません
免許の返納は、運転免許を警察に返す手続きです。車検証に書かれた名義や、ナンバープレート、税金、自賠責保険は、そのままの状態で残ります。車を手放すか、家に置くか、誰かに譲るかは、あらためて決めて、それぞれの窓口で手続きをします。
- 軽自動車は軽自動車検査協会、普通車は運輸支局(または自動車検査登録事務所)と、窓口が違います。
- 普通車の自動車税は、廃車(抹消登録)をしたあとの月数分が月割で戻る例があります(千葉県)。軽自動車税には月割がなく、戻りません(名古屋市)。
- 自賠責保険は、廃車などの要件を満たせば解約でき、残りの期間に応じたお金が戻る場合があります。ただし、残りが1か月未満だと戻りがありません。
- 預託済みのリサイクル料金は、廃車にしても返金されません。売却する場合の扱いは別なので、買取店に確認してください。
免許返納そのものの手続きは、親の免許返納の手続きにまとめています。ご家族の免許返納を経験した家の話は、運営者の家の体験をご覧ください。このページは体験ではなく、公的資料のまとめです。
名義(所有者・使用者)は、どう確認する?
車の持ち主として登録されている人は、車検証で確かめます。車検証には、所有者と使用者を書く欄があります。国土交通省の自動車登録ポータルは、一時抹消登録の案内で、車検証が「Aタイプ」か「Bタイプ」かを確認するよう求めています。
- Aタイプ:所有者欄に書かれた所有者から書類を集めます。
- Bタイプ:備考欄に表示されている所有者の情報が変更されている場合があります。リース会社などに現在の所有者を確認してから、書類を準備します。
所有者と使用者が別の人(会社)になっている場合や、ローンが残っている車の扱いについては、今回確かめた公的ページに明確な記述を見つけられませんでした。軽自動車についても、軽自動車検査協会の対象ページに、所有者と使用者の区別の記述はありませんでした。ここでは判断を書きません。「このページで分からないこと」をご覧ください。
名義変更(移転登録)の書類について、国土交通省は、譲渡証明書、新旧所有者の印鑑(登録)証明書(発行後3か月以内)、自動車検査証などを挙げています。新旧所有者の委任状は、代理人による申請の場合に限り必要です。使用者の委任状は、申請書に使用者の記名があれば不要、旧使用者のものは不要と書かれています。
軽自動車と普通車で、窓口はどう違う?
| 車の種類 | 主な窓口 | 確かめられたこと |
|---|---|---|
| 軽自動車 | 軽自動車検査協会(使用の本拠の位置を管轄する事務所・支所・分室) | 解体返納(廃車)の申請手数料は無料。業務受付時間内に提出する |
| 普通車(登録自動車) | 運輸支局、または自動車検査登録事務所 | 永久抹消登録の申請手数料は無料。千葉県も、運輸支局または自動車検査登録事務所での手続きが必要としている |
普通車は、使用を一時中止する場合、解体をした場合、輸出する場合に、抹消登録の手続きが必要です。永久抹消登録は、リサイクル事業者に引き渡して適正に解体処分した場合の手続きです。申請書には、解体報告記録がなされた日と移動報告番号を書きます。
軽自動車の解体返納は、引取業者から解体完了の連絡を受けたあとに申請します。必要書類は、自動車検査証(原本、コピー不可)、移動報告番号(引取業者が交付)、ナンバープレート(なくしたときは車両番号標未処分理由書)、解体届出書(軽第4号様式の3)などです。事業用(黒ナンバー)の場合は事業用自動車等連絡書が、所有者以外の人が手続きをする場合は申請依頼書が要ります。
軽自動車検査協会は、車検証を返納したあとの名義変更(所有者変更記録申請)の手続きについても案内しています。譲渡証明書、新所有者の住所を証する書面(発行後3か月以内。個人は住民票の写しまたは印鑑証明書)、所有者変更記録申請書(軽第1号様式)が要ります。所有者以外が手続きする場合は申請依頼書が必要で、手数料は無料です。
自動車税・軽自動車税は、戻ってくる?
税は、車の種類で扱いが違います。
| 税 | 確認できたこと | 出典の自治体・日付 |
|---|---|---|
| 自動車税(普通車) | 納付後に運輸支局等で抹消登録(廃車)した場合、抹消登録した月まで課税となり、翌月から3月分までが月割で還付される。納税義務者に未納額があるときは、還付金が未納額に充当される | 千葉県(2026年4月14日更新) |
| 軽自動車税 | 毎年4月1日時点で所有している人に課税される。4月2日以降に廃車や譲渡をしても、その年度の税額は全額納付。月割の制度はない | 名古屋市の公式Q&A(2026年8月12日更新) |
普通車の例では、4月に廃車すれば5月から3月までの11か月分が月割の対象、という計算になります。これは千葉県の説明をもとにした計算の例で、実際の還付額は都道府県の通知で確認してください。県によって手続きが違う可能性があるので、お住まいの都道府県税事務所で確認してください。
税の名称についても、千葉市の案内(2026年3月24日更新)を紹介します。千葉市は、軽自動車税(種別割)の名称が、令和8年4月1日から「軽自動車税」に戻り、税額や手続きは変わらないとしています。令和8年4月以降は、書類や通知に書かれた税の名称が変わっている場合があります。
自動車重量税の還付については、環境省のQ&Aに「廃車時に還付されるのは自動車重量税」という趣旨の記述がありますが、還付の条件の原文は公的ページで確かめられませんでした。このページでは書きません。
自賠責保険は、解約できる?戻るお金は?
日本損害保険協会によると、自賠責保険は強制保険のため、解約できるのは限られた場合だけです。登録自動車で抹消登録(永久抹消、輸出抹消仮登録、一時抹消)を受けた場合や、軽自動車または二輪の小型自動車で使用を廃止して車両番号標を運輸支局長等または軽自動車検査協会に提出した場合などが含まれます。
- 手続きは、保険会社の窓口で行います。代理店ではできません。
- 必要書類は、解約承認請求書、自賠責保険証明書、契約者の本人確認書類、解約要件の確認書類です。廃車の場合、登録自動車は登録事項等証明書などが要ります。
- 解約日は、契約者が保険会社の窓口に必要書類を提出して解約を申し出た日です。日本損害保険協会は「抹消登録等を行った日ではないので、注意が必要です」としています。
戻るお金について、国土交通省は、返戻額は手数料と保険期間を考慮して計算されるとしています。「保険期間の残りが1か月未満の場合、解約返戻保険料はありません」とも書かれています。具体的な返戻額は、契約している保険会社に確認してください。
リサイクル料金は、戻ってくる?
自動車リサイクルシステム(自動車リサイクル促進センター運営)の案内では、リサイクル券は、リサイクル料金を預託した証明として、新車購入時に発行される券です。預託済みのリサイクル料金は、フロン類、エアバッグ類、シュレッダーダストの処理等に使われるため、返金されません。
- 輸出した場合は返還申請ができ、期間は輸出日から2年です。
- 中古車として売却する場合や輸出する場合の、リサイクル料金の扱いは、買取店や窓口に確認してください。このページでは確認できていません。
- リサイクル券は、原則再発行できません。なくしたときは、自動車リサイクル料金の預託状況を印刷したものを代わりに使うか、引取業者に紛失を伝えます。
環境省のQ&Aでは、新車購入時にリサイクル料金を払っていない車は、廃車にして引取業者へ引き渡すときに支払うとされています。廃車時に預託した場合は、リサイクル券ではなく引取証明書が発行されます。軽自動車の解体返納でも、使用済自動車引取証明書に書かれたリサイクル券番号(移動報告番号)が要ります。
廃車に必要なものは?
車の種類で、書類が違います。上の窓口の説明をまとめ直すと、次のとおりです。
| 軽自動車(解体返納) | 普通車(永久抹消登録) | |
|---|---|---|
| 窓口 | 軽自動車検査協会 | 運輸支局、または自動車検査登録事務所 |
| 車の書類 | 自動車検査証(原本) | (案内で確かめた範囲では、国土交通省のポータルで一覧を確認) |
| 解体関係 | 移動報告番号、解体届出書(軽第4号様式の3) | 解体報告記録がなされた日と移動報告番号 |
| ナンバープレート | 返納する(なくしたときは車両番号標未処分理由書) | (未確認) |
| 手数料 | 無料 | 無料 |
| 所有者以外が手続きする場合 | 申請依頼書 | (普通車の代理申請の書類は、このページでは確認できていません。窓口で確認) |
普通車の永久抹消登録の書類の一覧は、国土交通省の自動車登録ポータルにあります。このページの出典に載せました。
軽自動車の廃車の期限として「15日以内」という説明を見かけることがありますが、軽自動車検査協会の対象ページ本文には期限の記載を確認できませんでした。期限があるかどうかは、窓口で確認してください。
処分する前の確認リスト
次のリストは、ここまでの内容を、順番に確かめられるようにまとめたものです。すべてに印がつかなくても、窓口で相談しながら進められます。
- ☐ 車検証で、所有者と使用者の欄を見た(Aタイプ・Bタイプの区別も確認した)
- ☐ 軽自動車か普通車かを確認し、窓口(軽自動車検査協会/運輸支局)を調べた
- ☐ ローンが残っているかどうか、所有者が信販会社などになっていないかを確認した
- ☐ 自動車税(または軽自動車税)の納付状況を確認した
- ☐ 自賠責保険の満期日と、契約している保険会社の窓口を調べた
- ☐ リサイクル券(または預託状況を印刷したもの)を探した
- ☐ 自動車検査証(車検証)の原本とナンバープレートを手元に置いた
- ☐ 本人が手続きに行けない場合、申請依頼書や委任状が要るかどうかを窓口に聞いた
- ☐ 返納者向けの支援(運転経歴証明書が要る場合あり)の申請期限を確かめた
上から3つめ(ローン)は、今回の公的資料で扱いを確かめられなかった点です。窓口に聞いてから手続きを進めてください。
よくある質問
免許を返納したら、車は乗れなくなりますか?
免許を返納した本人は運転できません。車の名義や登録は、返納だけでは変わりません。車を残す場合は、誰が運転するのか、保険や税金はどうなるのかを、保険会社や窓口で確認してください。
車を処分する前に、自賠責を解約してもよいですか?
日本損害保険協会の案内では、解約できるのは、抹消登録を受けた場合などの要件を満たしたときです。先に解約するのではなく、手続きの順番を保険会社に確認してください。
家族が代わりに廃車の手続きをしてもよいですか?
軽自動車は、所有者以外が手続きするときに申請依頼書が要ります。普通車の廃車を代理で申請するときの必要書類は、このページでは確認できていません。運輸支局の案内で確認してください。
税金やリサイクル料金の戻りは、どれくらいですか?
金額は、車の種類、登録の時期、保険の残りの期間で変わります。このページでは、仕組みだけを書いています。
認知症の親名義の車は、どう手続きすればよいですか?
本人の意思を確かめにくい場合の手続きは、今回の資料では確認できていません。成年後見制度などで本人の財産を守る仕組みがあります。くわしくは成年後見制度とはをご覧ください。家族信託については家族信託とはにあります。
このページで分からないこと
次のことは、今回確かめた公的資料では確認できませんでした。そのため、このページでは判断を書いていません。窓口でご確認ください。
- 所有者と使用者が違う場合の、軽自動車の手続き。
- ローンが残っている車(所有権留保の車)の廃車・売却に、信販会社などの書類が要るか。自動車税の納税義務者が誰になるか。
- 軽自動車の廃車の期限(「15日以内」という説明の公的な原文)。
- 自動車重量税の還付の条件。
- 普通車の名義変更(移転登録)で、自動車税が還付されるかどうか。
- 愛知県・東京都など、千葉県以外の自動車税の取り扱いの本文。
- 認知症などで本人の意思を確かめにくい場合の、車の処分の手続き。
税や法律の個別の判断は、このサイトではできません。お住まいの都道府県税事務所、市区町村、運輸支局、軽自動車検査協会、保険会社、または専門家にご相談ください。